vol.589【実践コラム】ドラッカーの財務哲学
…経営者による長期的な視点、キャッシュフロー、リスク管理、そして従業員への投資
(毎週木曜日配信)財務編
銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー
尾川充広
2023年も終わりが近づいてきました。年末年始は、多くの経営者にとって会社の将来について深く考える良い機会かもしれません。本日は、ドラッカーの財務哲学を紹介します。これからの経営に役立つかもしれませんので、ぜひ参考にしてみてください。
ピーター・ドラッカーは経営学の権威であり、財務戦略についても多くの価値あるアドバイスを提供しています。
以下に、ドラッカーが推奨する財務戦略の要点をいくつか紹介します。
1.キャッシュフローの重要性:
ドラッカーはキャッシュフローの管理を非常に重要視しました。企業は収益性だけでなく、キャッシュフローを注視すべきです。キャッシュフローが不足すると、企業は支払いを滞納し、資金不足に陥ります。このため、キャッシュフローの効果的な管理が必要です。
2.リスク管理:
ドラッカーは、リスク管理を通じて財務戦略を強化することを強調しました。企業はリスクを評価し、適切な対策を講じる必要があります。リスクの最小化や回避策の策定が財務安定性の鍵です。
3.コスト管理:
ドラッカーはコスト管理を徹底的に行うことを提唱しました。
無駄なコストを削減し、効率を向上させることで、企業の収益性を向上させます。経費対策や効果的な予算編成が求められます。
4.長期的な視点:
ドラッカーは経営を長期的な視点で考えることを奨励しました。
企業は短期の利益追求だけでなく、中長期的な成長戦略を立てるべきです。このためには、財務資源の適切な配分が必要です。
5.投資戦略:
投資に関する戦略もドラッカーの重要なテーマでした。資産の適切な運用や投資先の選定が、企業の成長と利益に大きな影響を与えます。リタイアメントプランやキャピタルバジェットなど、資本の効果的な運用計画が求められます。
6.顧客志向:
ドラッカーは、企業は顧客に焦点を当てるべきだと述べました。
顧客を満足させ、価値を提供することで、収益性が向上します。
財務戦略は顧客志向の観点からも考えるべきです。
7.従業員への投資:
ドラッカーは、従業員への投資を通じて企業価値を高めることを支持しました。従業員のスキル向上やモチベーション維持が、生産性と結果につながります。
これらは、ドラッカーが提唱した財務戦略の一部です。
ドラッカーの提唱は、貴社の長期的な成功に貢献し、経済的な持続可能性を向上させるのに役立つかもしれません。
尾川充広(銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー)