vol.511【実践コラム】中小企業庁支援策パンフレットについて
…各種施策の中から資本増強支援事業をご紹介します。
(毎週木曜日配信)財務編
銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー
尾川充広
中小企業庁は、新型コロナウイルス感染症で影響を受けた事業者の支援策をまとめたパンフレットを作成しています。本日は、パンフレットの中から、資本増強支援事業をご紹介致します。
※パンフレットは下記URLから閲覧できます。自社で活用できるものがないか確認してみてはいかがでしょうか。
【中小企業向け資本性資金供給・資本増強支援事業】
◆ 事業1 新型コロナ対策資本性劣後ローン
日本公庫及び商工中金等において、民間金融機関が自己資本とみなすことができる資本性劣後ローンを供給する。
貸付対象:以下のいずれかに該当する事業者が対象となります。
- J-Startupに選定又は中小機構が出資する投資ファンドから出資を受けた事業者
- 中小企業活性化協議会の関与のもとで事業再生を行う事業者又は中小機構が出資する投資ファンドの関与のもとで事業の再生を行う事業者
- 事業計画を策定し、民間金融機関等による協調支援(※1)を受ける事業者(※2)
※1原則として融資後概ね1年以内に民間金融機関等から融資等による資金調達が見込まれること
※2民間金融機関等からの協調支援を希望しない場合等においては、認定支援機関の支援を受けて事業計画を策定していれば対象
貸付限度額:中小事業・商工中金10億円(別枠)
国民事業7,200万円(別枠)
貸付期間:5年1ヶ月、7年、10年、15年、20年(期限一括償還)
※5年を超えれば期限前弁済可能
貸付利率:当初3年間一律、4年目以降は直近決算の業績に応じて変動
◆ 事業2 中小企業経営力強化支援ファンド
新型コロナウイルス感染症の影響により経営が悪化した地域の核となる企業の倒産・廃業を防ぐため、官民ファンドによる出資やハンズオンでの経営支援等により、経営力の強化とその後の成長を全面サポートします。
◆ 事業3 中小企業再生ファンド
過大な債務を抱えた中小企業の再生を図るために、官民連携のファンドを通じて、債権買取りや出資等を行い、経営改善までのハンズオン支援を実施します。また、全国47都道府県の「中小企業活性化協議会」とも連携し、再生計画の策定と事業再生を促進します。
審査のハードルは決して低くありませんが、事業1の民間金融機関との協調融資による資本性ローンは、私が面識のある企業様でも複数社の利用実績がございます。
一般的な融資よりもメリットが大きな施策ですので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
尾川充広(銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー)