vol.426【経営コラム】まさかに備えて財務力強化を!
平時の備えが有事(まさか)を救う!
(毎週月曜日配信)経営編
GPC-Tax本部会長・銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司
いつ起こるかわからない有事(まさか)に備えて、平時からお金に余裕を持つ経営を行ってください。そのために、財務に対する知見を深め、併せて、財務力を強化してください。創業から中小企業こそ、財務力強化が必要です。
貴社は〈財務無策症候群〉を患っていませんか?
これは、財務戦略がないために、お金に苦労する経営体に甘んじる病です。
■創業者~中小企業まで、その過半は財務機能を有していません。また、間違えた考え方を鵜呑みにしておられる経営者も少なくありません。
○資金調達のための与信力が低いにもかかわらず、資金のダムを作って備えようとしません。
○(日傘しかない)金融機関に、資金が不足した時に融資を受けに(雨傘を借りに)行こうと考えています。
○利益は納税額だけではなく、今後の資金調達力を決めることになる、これを理解せず、目先の過度な節税を目指します。
※借入れ(融資)可能額は、簡易キャッシュフロー(税引き後利益+減価償却費)を基準にその概算が判定されます。これらの財務無知から来る財務無策は、『お金に苦労する経営』という結果を招くことになります。
■この様に、財務に対する備えが希薄、または、間違えた考えを持っている経営体を『財務無策症候群』と呼びます。
『財務無策症候群』の経営体には、以下のような症状が現れます。
1.金融機関との継続的な関係を築けていない。必要な時のみ頼る。
2.資金繰りに苦労をしても、借入れは少ない方がよいと考えている。
3.資金繰りの余裕が少ない。
4.支払金利に(過度に)敏感である。
5.継続的に資金繰りを管理する仕組みを持ち合わせていない。
6.そもそも『財務』の概念を知らない。
いかがでしょうか?
■病名:『財務無策症候群』(推定有病率70%)を整理します。
○財務戦略がないために、お金に苦労する経営体に甘んじる病です。
○原因は、財務無知、または、財務無策です。
○症状は、手持ち資金が極小であっても、資金繰りに苦労しても、とにかく借入れを減らして(行わずに)経営を続けようとします。また、貸し手である金融機関の都合を理解できず、自社の都合、必要な時に必要な金額だけ貸して欲しいとの借り手の都合で行動します。少しでも歯車が狂えば、途端に危機的な状況に陥ってしまいます。早期の治療が必要です。
■『財務無策症候群』への対応は、財務の機能を持つことです。中堅以上の企業には、必ずこの機能があります。
○対策は、資金を可能な限り潤沢(=Ample)に維持することです。
・金利を気にせずに『借りられる時に借りられるだけ借りる。』
・『貸し手の論理』(借り手の論理ではなく)に沿って資金調達を継続する。
・納税を恐れずに利益をだす。自己資本の充実と簡易キャッシュフローの最大化を図る。
・精度の高い6カ月~1年先までの資金繰り計画を持ち続ける。
・金融機関との継続的な関係を構築する。
■当事務所の『新・税理士』は、上記【財務無策症候群】の専門医です。その予防と対策に尽力いたします。
当事務所が取組む財務支援業務は…
1.スポット業務として行う資金調達支援(だけ)ではありません。
⇒(正)継続的な財務機能の充足、財務部長の代行業務です。
2.資金に困った企業様の救済支援(が本質)ではありません。
⇒(正)成長企業の財務部長としての伴走です。
3.資金調達などの金融機関対応を必要とする時にのみ、クライアントに同行して説明補助を行うことではありません。
⇒(正)財務部長の代行者として、主体的に金融機関と関わります。
これらの業務が『資金繰り円滑化サービス(財務部長の代行業務)』です。また、この業務の目的は「お金に困らない経営を目指すこと」です。
早めの導入をご検討ください。社長様のお金に関する心配と煩わしさの多くを取り除くことができます。
田中英司 (GPC-Tax本部会長・ 銀行融資プランナー協会代表理事)