vol.408【実践コラム】日本政策金融公庫の資本性劣後ローンについて
(毎週木曜日配信)財務編
銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー
尾川充広
…長期的な資金繰り支援策として劣後ローンが注目を集めています。
日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付制度<仮称>」の概要が発表されています。
■ 目的
新型コロナウイルス感染症の影響により、キャッシュフローが不足するスタートアップ企業や、一時的に財務状況が悪化し企業再建に取り組む持続可能な企業に対して、長期間元本返済がなく、民間金融機関が自己資本とみなすことができる資本性ローンを供給することで、民間金融機関や投資家からの円滑な金融支援を促しつつ、事業の成長・継続を支援。
■ 融資限度額
【中小企業事業】1 社あたり 7.2億円(別枠)
【国民生活事業】1 社あたり 7,200 万円(別枠)
■ 融資期間
20 年・10 年・5年1ヵ月(期限一括償還)
■ 貸付利率
融資後当初3年間は一律 0.5%又は 1.05%、4 年目以降は直近決算の業績に応じた利率を適用(最低0.50%~最大4.80%)
■ 担保・保証人
無担保・無保証人
■ その他
本制度による債務については、法的倒産手続きの開始決定が裁判所によってなされた場合、全ての債務(償還順位が同等以下とされているものを除く)に劣後します。
新型コロナウィルス関連融資で一息つけたものの今後の返済について不安がある企業様も多いのではないかと思います。今回の新型コロナウィルスは中小企業の経済活動への影響が大きいことから、元本返済のない劣後ローンで資金繰りを下支えしようという動きが政府系の金融機関だけでなく、民間の金融機関でも出ています。
劣後ローンは借入ですが財務内容が改善される借入ですので上手に活用すれば大変有益です。是非、ご相談ください。
尾川充広(銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー)