vol.332【実践コラム】セーフティネット保証5号の指定業種について

(毎週木曜日配信)財務編
銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー
尾川充広


…直近3カ月の売上高が前年同期比より5%以上減少していませんか

平成31年1月~3月のセーフティネット保証5号の指定業種が発表されました。
セーフティネット保証5号とは、業況の悪化している中小企業が利用できる保証制度です。指定業種に含まれていなければ利用できない制度ですので、まずはご自身の業種が指定業種に含まれているか、下記中小企業庁のホームページにてご確認ください。

◆指定業種一覧
http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2018/1812205gou.pdf

ご自身の業種が指定業種に含まれていたら、次に、直近3ヶ月間の売上高を前年同期間の売上高と比較します。もし、売上高が5%以上減少していれば対象となりますので、セーフティネット保証制度に申し込むことが可能です。(指定業種かつ売上減少が要件です。)

具体的な申し込みの流れは、まず市区町村長の認定を受け、その後、銀行等金融機関に認定書を持ち込みます。認定の受け方については中小企業庁のホームページでご確認ください。

◆認定の受け方(中小企業庁HPより引用)
対象となる中小企業の方は、法人の場合は登記上の住所地又は事業実体のある事業所の所在地、個人事業主の方は事業実体のある事業所の所在地の市町村(または特別区)の商工担当課等の窓口に認定申請書2通を提出(その事実を証明する書面等があれば添付)し、認定を受け、希望の金融機関または所在地の
信用保証協会に認定書を持参のうえ、保証付き融資を申し込むことが必要です。(引用終わり)

信用保証協会は、中小企業が無担保で利用できる保証限度額が8,000万円と定められています。あくまでも利用可能な枠のことであり、必ず8,000万円の保証を受けられるということではありませんが、セーフティネット保証制度は、さらに別枠で8,000万円の保証枠が設けられます。

通常の融資審査は業績が悪いと通りませんが、本制度は業績が悪くなければ利用することができません。また通常の金利は、業績が悪くなればなるほど高くなりますが、本制度は低い金利で利用することができます。業績が悪くなることを歓迎したくはありませんが、そうなった場合には利用したい制度です。

「足元の売上高が一時的に減少しているだけでも利用できるか?」「売上高は落ちているが利益が出ている場合は?」「売上高が伸びている事業と落ちている事業がある場合は?」等、本制度の利用についてご質問やご相談があれば、お気軽にお問合せください。

尾川充広(銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー)