『金融機関対応に関するQ&A』よくあるご質問

金融機関対応に関して、よく頂戴するご質問と回答事例をまとめました。
回答は、あくまでも金融機関との円滑な関係構築を目的としたものであり、税務面や経営面から見た場合は、また違った回答になるかもしれません。ご了承願います。

税務調査で指摘を受け多額の追徴課税を支払った。銀行は今後も融資をしてくれるのか。

税務調査の指摘の多くは利益の過少申告ではないでしょうか。過去の帳簿が間違っていたという点において、決してポジティブな事ではありませんが、実際はもっと利益が出ていたということですので、その後の融資に影響を与えることはあまりありません。

会社の資金でビットコインを購入しても問題はないか。

問題があります。事業資金として借りたお金を、事業以外のことに使用した場合は資金使途違反です。多くの方が、借りたお金ではなく自己資金を運用しているだけと主張されますが、金融機関は堅実経営を好みますので、よほどの余剰資金でない限り、投機的な経営姿勢そのものをネガティブに捉えます。

立派な事業計画書を作成したにも関わらず融資を断られた。

融資審査において、最もプライオリティが高いのは、「未来の計画」ではなく「過去の実績」です。未来は過去の延長線上にありますので、机上の計画よりも、過去の実績をしっかりと検証した方が、未来を正しく予測できるという考え方なのでしょう。よって、過去の実績が当落線上よりも低い場合は、残念ながら、どんなに立派な事業計画書であっても効果的ではありません。事業計画書が効果を発揮するのは、過去の実績が当落線上にある場合、もしくは、過去の実績に比較して大きな金額を調達しようとしている場合です。

金利が安い金融機関に借り換えをしても問題ないか。

金額にもよりますが、一括返済、他行への乗り換えという行為は、企業側が考えるよりも大きな影響を金融機関に与えます。大変難しい判断です。企業として、経済合理性で判断するのは正しいことですが、多少の金利の違いだけでコロコロと金融機関を変える企業は好かれません。業績が好調な間はそれでも金融機関はついてくると思いますが、業績が落ち込んだ時に頼れる金融機関を失くしてはいけません。金融機関は仕入先と同等と考え、どこかひとつは、しっかりと信頼関係を築いておくことをおすすめします。