vol.596【経営コラム】銀行融資が受けられない3つの間違え!
…真逆の対応をしていませんか?
(毎週月曜日配信)経営編
GPC-Tax本部会長・銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司
少なくない経営者が金融機関対応に間違えた考え方を持ち込んでいます。真逆の対応をしておられる社長様も少なくありません。まず結論ですが、以下の3つを確認してください。
- 『雨傘理論』ではなく『日傘理論』で考えてください。
- 『借り手(会社)の論理』ではなく『貸し手(金融機関)の論理』で考えてください。
- 『困ったら借りる』ではなく『借りられる時に借りる』で行動してください。
以下で解説いたします。
- ×『雨傘理論』⇒ 〇『日傘理論』
金融機関にある傘はすべて『日傘』です。(一部の制度融資を除く)金融機関は、資金を必要とする会社にお金を貸すのではなく、返済してもらえる会社に融資をします。必要だから、なければ困るから貸してくれ…この理屈は通りません。このように返済できるから融資をお願いしたい…この論理展開が重要です。
金融機関に、困った会社への救済融資という商品『雨傘』は存在しません。一部(コロナ融資等)の制度融資は特例です。 - ×『借り手(会社)の論理』⇒ 〇『貸し手(金融機関)の論理』
・今は資金が必要でないから借りない。金利ももったいない
・今は資金が必要だから借りたい。
上記は『借り手の論理』です。
・今は経営状況が良いから融資できますよ。
・今は経営状況が悪いから融資できませんよ。
これらは『貸し手の論理』です。
経営状況が良くて、資金が必要な時には、双方の意向がマッチして、資金調達ができますが、経営状況が悪ければ、資金が必要になっても資金調達はできません。 - ×『困ったら借りる』⇒ 〇『借りられる時に借りる』
資金余力が十分でない会社は、自社の都合ではなく、貸し手の都合に合わせて資金調達を継続すべきです。少しばかりの金利は、保険と割り切りましょう。金融機関のお世話にならなくていいと思える確証を持てるまでは、金融機関(貸し手)の都合を優先してお付き合いしましょう。他に方法がないからです。
◆パワーバランスの欠落は経営者にとって致命傷!
金融機関との関係も、他の利害関係者同様本来は対等であるべきです。自社がいくら立派になって、金融機関の支援を必要としなくても威張らない、逆に、自社の経営が逼迫していても、金融機関に媚びる必要はありません。この前提で申し上げるのですが、それでもパワーバランスは変動します。自社が相対的に弱ければ、相手の基準に合わせていかねば事が運びません。創業から中小零細企業の多くは、金融機関に対しては、自社の都合『借り手の論理』ではなく、相手の都合『貸し手の論理』で行動するしかありません。このセンスを持ち合わせていない経営者は、金融機関対応だけでなく、その他すべてのビジネスシーンでミスを連発しているはずです。
重要な事なので繰り返しますが…
- 『雨傘理論』ではなく『日傘理論』で考えてください。
- 『借り手(会社)の論理』ではなく『貸し手(金融機関)の論理』で考えてください。
- 『困ったら借りる』ではなく『借りられる時に借りる』で行動してください。
上記の3つの原則を守ってください。少なくない社長様が間違えています。真逆の対応をしています。
田中英司 (GPC-Tax本部会長・ 銀行融資プランナー協会代表理事)