vol.545【実践コラム】永続する企業をつくるために
…金融機関の目線を経営に取り入れましょう。
(毎週木曜日配信)財務編
銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー
尾川充広
金融機関に借入を申し込むと、試算表、資金繰り表、計画書等の提出を求められます。弊所でも「融資に必要なので試算表を作ってください。」と依頼されるケースが多くあります。
■ 試算表は経営のツールです。
試算表は銀行融資を受けるためのツールではなく、経営状況を把握するためのツールです。金融機関に求められたから作成するのではなく、経営状況を把握するために普段から作成しているのが正しい姿です。金融機関から試算表の提出を求められた際、「今から税理士さんに作成してもらいます。」と返答するのは、経営品質の低さを露呈することになるので気をつけましょう。
■ 試算表を理解しましょう。
金融機関が試算表を求めるのは理由があります。単に形式的に求めている訳ではありません。「有れば良い」と言った意識で不完全な試算表を金融機関に提出する経営者の方も多くおられますが、金融機関の目的に沿っていないばかりか、会計の知識に乏しいことを知られてしまいます。試算表には経営に役立つ情報がたくさん詰まっています。平素から会計や財務に関する勉強をするか、会計や財務に詳しいブレーンを持ちましょう。最低でも、提出する試算表について一通り理解しておく必要があります。
■ 金融機関に評価される企業を目指しましょう。
金融機関から優良企業と評価されることを経営の目標にしましょう。お金が借りやすくなるからと言う単純な理由だけでなく、金融機関が評価する企業は一般的に倒産しにくいからです。金融機関の目的は貸したお金に利子をつけて回収することです。そのため、倒産する企業を見分ける経験を積み重ねています。倒産しにくい企業を見分けることに関しては、金融機関は大きな経験値を有しています。
金融機関が評価するポイントを理解し経営に取り入れることは、
会社を永続させるという経営者様の本来の目的にも合致します。
是非、経営の目標にしてはいかがでしょうか。
尾川充広(銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー)