vol.522【経営コラム】アフターコロナ、どのように経営するのか(その2)!
…正しい値決めで利益を最大化する!
(毎週月曜日配信)経営編
GPC-Tax本部会長・銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司
容易ではありませんが、適正な価格設定を目指したいものです。「値決め」は、安すぎても、高すぎても経営の足を引っ張ります。それぞれ弊害をもたらします。また、客層を含む生きる世界観、経営観は「値決め」で決まります。経営の起点は「値決め」です。
以下の4つについて言及します。
◆1.真の適正価格を探求する!
◆2.安すぎる「値決め」の弊害!
◆3.高すぎる「値決め」の弊害!
◆4.値決め力を養うためには!
◆1.真の適正価格を探求する!
◎『値決めこそ経営』(稲盛和夫先生)
◎『松下電器は相当大きくなるまで私が値決めをしていた』(松下幸之助先生)
多くの偉人が「値決め」の重要性について強く語っておられます。多分、我々凡人が想像する以上に「値決め」の経営に与えるインパクトは大きいのでしょう。
◆2.安すぎる「値決め」の弊害!
●弊害1:安いのでたくさん売れる。
繁盛貧乏に陥り身動きが取れなくなっている事業者様は少なくありません。頑張っていて、評価されている?(繁盛している)のに利益が出ない、この状況は経営者や従業員を疲弊させます。
安すぎる「値決め」が招く弊害の一つ目です。
●弊害2:安すぎて信頼されない。
「安くてよいものは存在しない」と考える人は安さを疑います。安すぎる「値決め」は、一定の割合で存在する安さを嫌う優良客を排除してしまいます。これは致命的な弊害です。
◆3.高すぎる「値決め」の弊害!
●弊害1:高いので売れない。
売れないので閑散貧乏状態になります。ただ、売れない時は暇なので見直しの方向に是正されます。この点が繁盛貧乏状態との違いです。高い価格に向かって価値を積み上げるのか、価格を下げて適正化を図るのか、どちらかの方向に向かいます。
●弊害2:高すぎるが上手に売る。
高すぎるモノやサービスを営業力で売り切る、一見良さそうですが本当は間違えです。売る側は、高すぎるモノを売り続けることに疲弊します。買った側には時間とともに不満が蓄積します。長期間の安定した経営は望めません。上手すぎる営業の弊害です。営業は少し下手位がちょうど良いようです。
◆4.値決め力を養うためには!
経営者には、様々なモノやサービスを購入する体験を積み上げることで、幅広い価値観を理解できる知見を磨くことが求められます。例えば、客単価3千円の飲食店オーナーも、客単価数万円までの会食を定期的に体験することで、自店の相対的・絶対的価値を確認することができます。できているのでしょうか?値決め力を磨き養う継続的な投資は重要です。
客層を含む生きる世界観、経営観は値決めで決まります。起点は値決めです。安くしようとすると、生きる世界が落ちて行く、客層も悪くなります。高くしようとすると、生きる世界が上がる、客層も良くなります。ただし、高く上手に売りすぎると客離れを起こします。自分の畑が枯れる、自分が疲弊します。
だから…
◎『値決めこそ経営』(稲盛和夫先生)
◎『松下電器は相当大きくなるまで私が値決めをしていた』(松下幸之助先生)でしょうか。
アフターコロナは利益にこだわる経営を行いましょう。
今すぐ、値決めの検討を始めませんか!
田中英司 (GPC-Tax本部会長・ 銀行融資プランナー協会代表理事)