vol.501【経営コラム】ハイブリッドワーク!
…リモートワークとオフィスワークを併用する働き方!
(毎週月曜日配信)経営編
GPC-Tax本部会長・銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司
コロナ禍の影響もあって、リモートワークが浸透しました。経営者はその長短を自社の特性を合わせて検証しながら、これからの業務のオペレーション・働き方を最適化していかねばなりません。
リモートワークに関して積極的に運営してきたであろう識者の見解を集めて以下列記しました。判断材料としてご確認ください。
- リモートワークを徹底することで、優秀な人材を全国から集めることができている。完全リモートで全国一律賃金の某IT企業は、優秀なITエンジニアの採用に困らない状況が続いている。
- 全国に店舗展開している某アパレル企業は、リモートインフラを整備したことで、店舗間及び店舗と本部の情報格差がなくなった。今まではリアルが主体の情報発信を行っていたので、遠隔地とは情報格差が生じていたようだ。
- 採用時にリモート面談を行うことで、より多数の入社希望者との面談が容易になった。最終面談のみリアルで対応している。リモート面談とリアル面談との差異はあまり感じない。
- リアルの参加者とリモートからの参加者が同居する会議においては、リモート参加者に疎外感を与えない配慮が必要だ。某企業は、リアルで参加可能な人(出社中の人)にも、自席からリモートで参加(全員リモートに統一)させている。
- リモートワークだから従業員の業務管理が難しいのではない。そもそもオフィスワーク時に自席で勤務している部下の業務を完全に管理できているわけではない。
- 某大手外資系企業はリモートワークを推奨しているが、一方、出社時の社員間のコミュニケーションを充実させるための事務所リニューアルを行った。
- オフィスワーク時に話した内容も、リモートワーク者に伝わる配慮が必要だ。オフィスワーカーとリモートワーカーの情報格差を作ってはいけない。
- リモートMTG時こそ、その前後の雑談的な時間を確保すると有効だ。無駄時間を意図的に作るようにしている。
- リモートワークへの適性や好みは各自異なる。一律に週3日出社等とルール化するのではなく、柔軟に運用すべきだ。
リモートワーカーとオフィスワーカーがお互いを肯定し合える文化を作りたい。 - 自宅での勤務環境を確保できない社員に対する配慮は必要だ。自宅近隣でのサテライトオフィスの利用を促し、併せて、自宅での環境整備費用を補助している。
- 新人(新卒及び中途入社)のオンボーディングに関しては、リアル対応を充実させた方が良さそうだ。一方、これすらリモート対応で十分との意見もある。
- リモートワークの短所を考えるとき、それが不慣れな故に起きている問題なのか、本質的な問題なのかの見極めが必要だ。
…等々
【リモートワーク】か【オフィスワーク】か、この二者選択ではなく、これらを上手く使い分ける【ハイブリッドワーク】が解でしょう。
また、業種や業態、会社の文化・考え方によって取り組み方はそれぞれでしょうが、全否定して取り組まない会社は時代から取り残されることになりそうです。
デジタルネイティブなZ世代(※Z世代は、2021年現在の年齢にして10~21歳)の社会進出が始まります。完全【オフィスワーク】で、毎日定刻に出社を余儀なくされる会社に、優秀な若者が就職しなくなっても不思議ではありません。働かせ方?、事業の運営についても改革が必要です。
田中英司 (GPC-Tax本部会長・ 銀行融資プランナー協会代表理事)