vol.440【経営コラム】企業の価値とは何か!
企業価値を向上させるための4つのポイント!
(毎週月曜日配信)経営編
GPC-Tax本部会長・銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司
前回号では、【規模拡大を目指す計画書】ではなく、【企業価値を向上させる計画書】の立案をお願いしました。ここでは、企業価値の向上策について、整理いたします。
■企業価値を向上させるための4つのポイント!
1.脱・売上至上主義!
- 売上の大きさではなく利益の大きさが重要
- 同じ利益なら、売上は小さいほうが良い
売上には高品質な売上と安物の売上があります。企業価値は売上の純度に相関します。売上の純度が高い企業ほど、その企業価値は高くなります。売上の純度を高める経営、純度の低い売上を取り除く経営を行ってください。企業価値が向上します。
2.売り切りから継続販売、継続的なサービス提供へ!
- 所有から利用へ、顧客ニーズは変わってきた
- 一過性の売上より、継続する売上の方が良い
顧客ニーズは、所有から利用へと変わってきました。経営的にも、売切りの一過性の売上よりも、継続的な売上の方が安定します。また、継続的に利用してもらうためには、商品やサービスに進化・発展が求められます。継続的な集金モデルを有する企業には、それに相当する企業価値が与えられます。
3.持たざる経営への移行!
- 総資産の大きさではなく純資産の大きさが重要
- 同じ利益なら、従業員は少ない方が良い
- 同じ費用総額なら、固定費は小さく、変動費が大きい方が良い
資産には価値ある資産とそうでない資産があります。企業価値は資産の純度に相関します。資産の純度が高い企業ほど、その企業価値は高くなります。資産の純度を高める経営、純度の低い資産を持たない経営を行ってください。企業価値が向上します。
4.良い事業立地を選定する!
- どこにでもある事業ではなく、レアな事業を行う方が良い
- 飽和した成熟市場を攻めるより、成長性のある市場の方が良い
- 相対的優位に立てる市場が面白い
事業は、いかに上手に運営するか(マネージメント)の前に、どんな事業をするか(事業立地の選定)が重要です。取り組む事業を間違えたら、経営の成果、企業の価値向上は限定的です。
企業価値を高くとるためには、事業立地の選定が重要です。
企業の規模ではなく、企業の価値に重点を置いた経営に移行しませんか。そのためにも、事業計画書を作って、又は、作り直してみませんか。今から作る事業計画書は、【規模拡大を目指す計画書】ではなく、【企業価値を向上させる計画書】にしてください。
田中英司 (GPC-Tax本部会長・ 銀行融資プランナー協会代表理事)