vol.230【お役立ち情報】受動喫煙防止対策助成金の活用について
(毎週木曜日配信)財務編
銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー
社会保険労務士 今西章
…飲食店における助成金の有効活用が検討されています
先日、「受動喫煙防止対策助成金の今後のあり方に関する検討会」の報告書が公表されました。この報告書の中で、受動喫煙防止対策が遅れているといわれている飲食業等における助成金の有効活用の方法や、今後の検討課題が示されました。
受動喫煙防止対策に踏み切れない理由としては、調査を行った飲食店の半数強が「顧客の喫煙要望を断れない」とする中で、売り上げ減少が懸念される、そもそも喫煙室を設置する場所がないため対策が講じられない、というものが多かったようです。
このため、喫煙室の設置場所については、例えば、ビル内で営業する店舗などでは、店舗ごとに喫煙室等を設置することに加え、複数の店舗が共同で利用できる喫煙室等をビル内の共用スペースに設置した上で店内を禁煙とすることも選択肢として、助成金が活用できるよう検討されるようです。
また、「助成金の有効活用を推進するためには、引き続き、事業者の実情を加味し、業界団体等と協同して、使いやすい要件、効果的な広報周知の方法などを検討し、実施していく必要がある。」との意見も出され、活用しやすい助成金制度への改正が期待できます。
受動喫煙防止対策をお考えの方はご検討ください。
現在の受動喫煙防止対策助成金の概要は次のとおりです。
■助成対象事業主
労働保険に加入し、労働保険料の未納がない中小企業事業主が対象です。
■助成の対象となる措置
次の3つの措置が対象となります。
(1)一定の要件を満たす喫煙室の設置
(2)一定の要件を満たす屋外喫煙所の設置
(3)受動喫煙を防止するための換気設備の設置
※(3)の措置は、旅館、料理店または飲食店の事業を営んでいる中小企業事業主が対象です。
■助成対象経費
喫煙室の設置などに係る経費のうち、機械装置費、設備費、工費、備品費等が対象です。
■助成金額
対象となる経費の1/2以内で上限は200万円です。
※交付は事業場単位で1事業場につき1回限りとなります。
■手続の流れ
(1)交付申請書類を労働局に提出し書類審査を受けます。
(2)交付決定の通知後に工事の発注・施工を行ないます。
(3)工事完了後に工事費用を支払います。
(4)報告書類を労働局に提出して助成金を受け取ります。
助成金の利用をご検討の方は、事前に所轄労働局の健康安全課(健康課)にご相談ください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今西章(社労士 銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー)