vol.172【お役立ち情報】キャリアアップ助成金の注意点について
(毎週木曜日配信)財務編
銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー
社会保険労務士 今西章
…対象社員の雇用保険の手続きに注意してください
キャリアアップ助成金の申請がまだまだ増えています。
この助成金は、有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者などの、いわゆる非正規雇用労働者のキャリアアップ等を促進するために設けられた助成金で、次の6つのコースがあります。
(1)正規雇用等転換コース
有期契約労働者等を正規雇用等に転換した場合の助成
(2)多様な正社員コース
勤務地または職務限定正社員制度を新たに規定して適用した場合や、短時間正社員に転換した場合の助成
(3)人材育成コース
有期契約労働者等に一般職業訓練などの所定の訓練を実施した場合の助成
(4)処遇改善コース
有期契約労働者等の基本給の賃金テーブルを2%以上増額改定し、昇給させた場合の助成
(5)健康管理コース
有期契約労働者等を対象とする健康診断制度を新たに規定し、述べ4人以上実施した場合の助成
(6)短時間労働者の週所定労働時間延長コース
従業員の所定労働時間を週25時間未満から30時間以上に延長し、社会保険を適用した場合の助成
■助成金申請にあたっての注意点
助成金申請にあたっての注意点はいろいろありますが、今回ご紹介するのは、助成金の対象となる社員の雇用保険の手続です。
雇用保険の資格取得届には雇用形態を記入する欄があります。
雇用保険の資格取得手続においてはそんなに重要なポイントでもないため、正社員でもそれ以外の働き方をするパートや有期契約労働者の場合でも同じように「7」(その他)を記入して届け出るケースがままあります。
キャリアアップ助成金の申請対象者でなければ、大きな問題でもないのですが、「7」(その他)はいわゆる「正社員」を意味するので、せっかく他の条件がそろっていても、そもそもこの助成金の一番の要件である有期契約労働者等とみなされず、対象外とされてしまいます。
キャリアアップ助成金をご検討される場合は、対象とする社員の雇用保険手続にもご注意ください。
今西章(社労士 銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー)