vol.98【実践コラム】金融機関の目線を経営に取り込みましょう。

（毎週木曜日配信）財務編
銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー
尾川充広

…ー永続する企業をつくるために

金融機関に借入を申し込むと、試算表、資金繰り表、計画書等の提出を求められます。
当事務所でも「融資に必要なので試算表を作ってください」と依頼されるケースが多くあります。

■　試算表は経営のツールです。
試算表は銀行融資を受けるためのツールでは無く、経営状況を把握するためのツールです。
本来は、金融機関に提出するために作成するのでは無く、「経営状況を把握するために普段から作成しているものを金融機関に提出する」これが正しい姿です。
提出を求められた時に、「税理士さんに今から作成してもらいます」と返答した時点で、その企業様の経営品質の低さを露呈してしまっています。

■　試算表の重要性を理解する。
金融機関が試算表を求めるのには理由があります。単に形式的に求めている訳ではありません。
「あれば良い」と言った意識で不完全な試算表を金融機関に提出する経営者の方も多くおられます
が、金融機関の目的に沿っていないばかりか、試算表に対する理解の低さを露呈してしまいます。
絶対にやってはいけません。試算表には、経営に役立つ情報がたくさん詰まっていますので、平素から、財務に関する知識を身につける訓練を行うか、財務に詳しいブレーンを持ちましょう。最低でも、融資を依頼する際には、提出する試算表について一定の理解をしておく必要があります。

■　金融機関に評価される企業を目指す。
特に財務面については、金融機関に評価される企業を目指して経営の舵取りを行うことをおすすめします。「お金が借りやすくなるから」と言う単純な理由ではなく、金融機関が評価している企業は、一般的に「つぶれにくいから」です。金融機関の目的は「貸したお金に利子をつけて回収する」ことです。
そのために、途中で経営が立ち行かなくなる企業を見分ける経験を積み重ねています。
つぶれやすい企業を見分けることに関しては、ひとつの会社だけを経営する経営者様とは比べものにならない量の経験値を持っています。金融機関が評価するポイントを理解し、経営に取り込むことは、会社を永続させるという経営者様の本来の目的に合致します。

銀行融資プランナー協会の正会員事務所では、正確な試算表をタイムリーに作成するお手伝いはもちろん、金融機関の評価ポイントを具体的にお示しすることも可能です。是非ご活用ください。