vol.126【経営コラム】若い社長、二世経営者が陥りやすいマネージメントの過ち!
(毎週月曜日配信)経営編
GPC-Tax本部会長・一般社団法人銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司
…決めて明確に指示を出す。社員は厳守する。これがマネージメントです。
二世(若手)経営者向けの勉強会で話した内容(抜粋)です。
自社に当てはめてご確認ください。
『若い社長、二世経営者が陥りやすいマネージメントの過ちについて解説します。
・皆から意見を集めて衆知の経営を行いたい。
・独裁経営は嫌だ。
・社員の自主性を尊重したい。
一見素晴らしい考えに思えますが、現実的ではありません。
商品開発やサービス開発、営業手法や、製造現場の改善において、皆から意見を集めて、よりよい方法を決めてもらうことは良いことです。現場衆知の改善活動を行える環境を整備しましょう。
社長の決断で、「現場衆知の改善活動を行いなさい。」と明確な指示を出してください。
ただし、経営判断に上記の基準を持ち込むのには無理があります。
色々な意見があるのは良いとしても、経営の方針はたった一つしか存在してはいけません。
経営方針はたった一つ、しかも、明瞭でなければなりません。
方針が複数ある、また、わかりにくければ、実行部隊たる社員の行動が定まりません。成果が激減します。判断の結果がわからなくなります。明瞭なたった一つの方針を出すのは社長一人しかいません。
これが社長の仕事です。
決定プロセスにおいて、独裁に見えることもあります。
決定プロセスにおいて、意に沿わない幹部がいることもあります。
だからと言って、決定した方針は方針です。全員がこの方針に沿って動いてもらわねばなりません。これが、会社におけるマネージメントです。
・中小零細企業の社長の仕事は、決めて指示を出すことです。
この指示が不明瞭であると、社員の行動が定まりません。
・社員の仕事は、指示を忠実に実行することです。指示を実行するための方法の工夫は必要ですが、方針を変更しかねない工夫はNGです。
・指示すべき事、方針自体を社員に考えさせようとする社長がいます。これは、間違えです。
・ファジーな指示で、会社の方針が定まっていない会社を見受けます。社長の指示の不徹底です。
・方針自体を自分で考えようとする社員がいます。これは間違えです。
業務違反です。
社長が決めた方針を忠実に実行できる体制作りが必要です。
「毎朝床を徹底的に鏡のように磨き込んでいる自動車ディーラーがあります。
非常にわかり易い方針です。社長は定期的に監査しています。指示の徹底の証の一つ、決めたことを全員が忠実に実行できる事の証、とおっしゃっておられました。これができるようになって、他の指示も実行できるようになった、ともおっしゃっておられました。」
指示通りに動かないのは業務違反です。
これを放置してはいけません。
能力が不足しているなら訓練を施してあげてください。
意図して指示に従わないなら、厳罰に処しましょう。
これができない社長は社長失格です。
・社長が社員に遠慮して(?)はっきり指示を出せない。
・社長の指示が不明瞭で分かりにくい。
・社員が社長の指示に従わない。
・指示に従わないのにペナルティーを受けない。
こんな会社は絶対に上手くいきません。
ご再考ください。後略』
田中英司 (GPC-Tax本部会長・ 一般社団法人銀行融資プランナー協会代表理事)