vol.211【経営コラム】創業時にしっかり考えていただきたいこと…(その2)

(毎週月曜日配信)経営編
GPC-Tax本部会長・一般社団法人銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司


…モデル企業のベンチマーク、「師」と「友」作りに励んでください。

創業したら、早めに以下の4つを実行してください。
1.モデルとする事業体を見つけてベンチマークする。
2.偉大な「師」を見つけて、考え方や生き方の指針とする。
3.身近な「師」を見つけて、時には叱咤激励を受ける。
4.志を同じにする「友」を見つけて励ましあう。

■モデル事業を見つけて研究を続けてください。

最終的にはオリジナルな経営体を構築したいでしょうが、スタート時は模倣から始めることが現実的です。
「守・破・離」の「守」、真似ることから始めてください。
真似る対象となるモデル企業を探してください。
同業でなくても、真似るべきポイントを限定すれば、学ぶべき点は多くありますが、最初は同業・類似業種が良いでしょう。

○コンシューマー向けの事業、例えば、飲食店や物販店、ネット通販などでは、自らが顧客となってサービスを受けることができます。利用者目線での研究も可能です。
○モデル企業が上場企業であれば、経営実態が公開されています。有価証券報告書を読み込めば、決算内容・収益構造まですべて読み取れます。
○未上場企業でも、帝国データバンクなどで大まかな経営実態がわかることもあります。
○ホームページも、仮説を持って詳細に読み込めば、相当量の情報を得ることができます。
○SNSで社長のコメントを継続してみていくと、勉強になります。

■学べる経営者を見つけて「師」と仰いでください。

社長とは、その大小にかかわらず上司の存在しない、自分ですべてを決めて、その責任をすべて一人で背負うトップの立場です。誰も教えてくれない環境下でも、考え方や生き方を継続し
て学ぶためにも「師」が必要です。

○偉大な「師」を探しましょう。「松下幸之助先生」「稲盛和 夫先生」「大前研一先生」「船井幸雄先生」等々、書籍を読み漁ってください。自分自身が一番受け入れやすい先生を探して、心の「師」と仰ぎましょう。このクラスの「師」は、書籍・CD・セミナー等々のコンテンツも豊富です。勝手に弟子になって勉強できます。
○身近な「師」を探しましょう。自社の事、自分の事、具体的に親身になって相談に乗ってくれる人、時には厳しく叱ってくれる人…容易ではありませんが、求め続けましょう。

■志を同じくする「友」を見つけましょう。

競合関係にない同業・類似業種の同年代の「友」が理想的です。
志や考え方レベルが同程度でないとうまく行きません。仲の良い遊び仲間とは違います。

○大きな「師」を仰ぐ勉強会
○大手のコンサルタント会社が主催する業種別勉強会
○筋の良い経営者交流会
○事業を営む学友
等々、求めておれば見つかります。

自社の経営に対するすべての最終責任は、社長が一人で背負うことになります。
「師」も「友」も「コンサルタントの先生」も…誰にも代わってもらえません。
意見を求めることは出来ても判断を求めることは出来ません。
故に、社長は孤独です。
だからこそ、社長は孤立してはいけません。

孤立しないために、意図的に外部に対して、様々な心のバイパスを準備してください。そのために「師」と「友」は大切です。

◆モデル企業のベンチマーク、ITインフラを活用して最大限行ってください。
◆「師」と「友」作りに励んでください。

※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配をできるだけしない経営を行ってもらう』ための新しい機能(=金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言いたします。我々は、『税理士』ではなく、『新・税理士』です。遠慮なくご相談ください。

田中英司 (GPC-Tax本部会長・ 一般社団法人銀行融資プランナー協会代表理事)