vol.286【経営コラム】創業・新規事業の成否は…(その5)

(毎週月曜日配信)経営編
GPC-Tax本部会長・一般社団法人銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司


…無知は損です。無知は罪です。

「知る」ことで多くの事を解決できます。
故に、賢明な社長は日々勉強に励みます。

■消防士は火に対する知見を有しています。

故に、大丈夫、危険だ…これらを正しく判断できます。危険な火災現場に遭遇しても、最小限のリスクで最大限の対応ができるのはこのためです。仮に、無知な消防士(?)が消火活動を行ったとすると、過度に恐れて適切な消化活動ができない、または、蛮勇で無茶なそれを行うことになるはずです。いずれも正しい消火活動とは程遠い結果になります。
消防士は、日々欠かさず、火に対する勉強と訓練を積んでくれています。

■社長も経営を「知る」ことが重要です。

経営には不安がつきまといます。具体的な不安、漠然とした不安…無限の不安が心に降り注いできます。ある種の必然で仕方ありませんが、これらの不安を軽くする方法はあります。

◆人は、わからないことに多くの不安を感じるようです。
・「知る」ことで多くの不安が解消されます。
・「知る」ためには勉強が必要です。
故に、賢明な社長は日々勉強に励みます。

◆「知る」ことで、程度加減がわかります。
・「知る」ことで、ここまでは大丈夫、これ以上はダメ、この境界が見えます。
・「知る」ことで、経営判断の精度が向上します。
故に、賢明な社長は日々勉強に励みます。

◆「知る」ことで、「自分の知らないこと」を認識できます。
・知らないことを認識すること(=「無知の知」)は重要です。
・「知る」ことに重点的に取り組むことができます。
・「自分の知らないこと」には取り組まない、または、他人の知恵を借りる癖が付きます。
故に、賢明な社長は日々勉強に励みます。

■過度の心配は払しょくしましょう。チャンスを逃してしまいます。逆に、蛮勇もご法度です。会社をつぶしてしまいます。

「無知」な社長は二つのパターンに分かれます。

◆1.過度に恐れて攻めることができない社長。
リスクを過大評価して、一歩も前に進めません。前に向かってアクセルを踏めない原因の一つは「知らない・わからない」からではないでしょうか?

◆2.蛮勇を背景に突っ走る社長。
リスクや実力を省みることなく、とにかくアクセルを踏み続けます。過度に邁進できる理由の一つは「知らない・わからない」からではないでしょうか?
いずれも正しい経営とは程遠い結果になります。

■「知る」ことは大変大きな収穫をもたらします。

社長が経営の勉強をすることには大変大きな意味を持ちます。その経営成績、収穫に直結します。ただ、社長が勉強すべきテーマは極めて広範囲で、何からどのようにすればよいかわからない、とおっしゃる方も少なくありません。まさにその通りですが、これにもヒントはあります。不安なことから勉強してください。不安を解消しましょう。

■何が不安なのでしょうか?人・モノ・金…?

人の問題は、人的投資を続ければ改善します。
モノの問題も、開発投資を続ければ改善します。
経営上の問題は、結局お金の問題に終結します。
少し乱暴な論理を展開するならば、(中小零細企業)経営の問題はほぼすべてお金の問題に置き換えることができます。結局お金の心配が一番大きな最初の問題ではないでしょうか?

まずはお金の不安を完全に払しょくしませんか?
お金の不安を払しょくするためには「お金について知る」ことです。「財務とは何?」多分このあたりから始める必要がありそうです。

・「無知」は大きな損失を招きます。損をします。
・「無知」は不安の大きな原因の一つです。病みます。
「知る」ことで多くの事を解決できます。故に、賢明な社長は日々勉強に励みます。

※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配をできるだけしない経営を行ってもらう』ための新しい機能(=金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言いたします。我々は、『税理士』ではなく、『新・税理士』です。遠慮なくご相談ください。

田中英司 (GPC-Tax本部会長・ 一般社団法人銀行融資プランナー協会代表理事)